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クリスマスに込める、手作りの温もり ー プチ・ラパンが予約制を貫く理由

パティスリーのショーケースのイラスト。4段のガラスケースには、いちごのショートケーキ、フルーツタルト、チョコレートケーキ、ブッシュドノエルなど約20種類のケーキやスイーツが並び、それぞれに価格札が添えられている。背景にはクリスマスツリーと買い物客のシルエットが描かれ、冬のホリデーシーズンの温かい雰囲気を演出している。柔らかいパステルカラーで描かれたイラスト調の画像。

クリスマスが近づいてきました。街を歩けば、色とりどりのクリスマスケーキが目に飛び込んできます。大手チェーン店のショーケースには、華やかなデコレーションケーキが何十個も並び、「予約なしでも買えます」「当日でも大丈夫」という言葉が踊っています。

そんな中、プチ・ラパンは少し違う道を選びました。私たちは予約制です。たくさんは作れません。華やかさでは大手に敵いません。それでも、二十年間、この道を歩み続けてきました。

なぜでしょうか。それは、クリスマスという特別な日に、一年間お世話になったお客様方に本当に心を込めたお菓子をお届けしたいという、ただその一心からです。今日は、プチ・ラパンがクリスマスケーキに込める想いを、お話しさせてください。

目次

街に並ぶクリスマスケーキと、私たちの選択

毎年、どのお店よりもチラシができるのが遅く、皆様にまだかまだかと聞かれてしまうプチ・ラパンのクリスマスケーキ。どんなチラシにしようかなと、よそのお店やスーパーのチラシを見ながら作成しているのですが、皆さんバーリエーションは豊かだし、台数もたくさんだし、何よりクリスマスらしくかわいい!

そしてどんなに遅くなってもプチ・ラパンのクリースマスケーキはいつも「苺ショート」と「フルーツタルト」の2種類のみ。デザインもフルーツの種類や数もいつも一緒。

一時はクリスマスだけの特別ケーキを作っていたこともあるのですが、やっぱり一年最後のケーキは一番味に自信のあるものを食べてもらいたい。「一年の最後にプチ・ラパンのクリスマスケーキを食べないと年を越せない」と沢山の方に思ってもらいたいという思いから、精鋭の商品だけを残して提供するようになりました。

そこに至る原動力は、クリスマスケーキ販売を「1年間お世話になったお客様への感謝祭」と捉えていることです。

なぜ、予約制なのか ― 一つ一つに込める想い

「クリスマスだからしっかり苺を食べてほしい」

この思いから、どんなに値段が高くても苺は毎年同じ数。年によって多少大きさのばらつきがあるので、大きい年だとサンタの居場所がなくなることも。プチ・ラパンの感謝の形、それは苺の数です。普段より高い値段で買ってもらうんだから、やっぱりしっかり苺をのせないと。儲けは薄くなりますけど、そこはほら、あれ、感謝祭なので。

「クリスマスしか食べられないものを食べてほしい」

フランス料理や菓子の歴史は食材の加工や保存の歴史でもあります。新鮮なものをそのまま食べるのはもちろん美味しいのですが、熱を加えたり、糖分を加えたり、スパイスの衣で着飾らせてみせたり、その多彩な技術の積み重ねこそがその魅力だと信じています。

普段、単発でバースデーケーキのフルーツを1台分ずつ加工することは難しいですが。同じ物を同時期に大量にご注文いただくクリスマスのタルトにこそ、その極意を詰め込みたいと思っています。いつものオレンジのローストに加え、洋梨の赤ワイン煮、パイナップルの白ワインコンポート、バナナのキャラメリゼなど年に一度のお祭、感謝祭がもうまもなく開幕します。

と、ここまですると材料のムダを出せないんです。1月の支払いがすごいことになっているので。実は一番苺が高かった年は1パック1500円(税抜)でした。さすがにその年は我が家のおせちからご馳走が2品ほど減りました。どうか予約だけの対応ご容赦ください。

大量生産できない、職人の矜持

例えば「苺ショート」ですが、たくさん苺’が入っているのがよく分かるよう、よく見る高級クリスマスケーキは「苺がゴロゴロ入っています」を売り言葉に、分厚い生地の間に半割の苺が並んでいる写真をよく見ます。もちろん、それぞれの素材の味がよく分かる構成でその考え方もわかるのですが、私個人の好みではありません。

「生地と苺とクリームがばらばら」な気がするのです。

私が愛してやまないのは

「生地と苺とクリームが一体となって、時間経過とともにその味わいも変わっていくケーキ」

なのです。

そのためにプチ・ラパンの苺ショートはバースデーケーキはもちろん、1日で大量の数を仕上げなければならないクリスマスケーキでも同じ手法で製作しています。

生地も苺も薄めにスライスしたものを少なめのクリームでつなぎ合わせ、2層で仕上げる。そうすることで、より多くの断面を獲得した苺から徐々に果汁が染み出しケーキを一つにまとめあげていく。ご馳走でお腹いっぱいになり、残りのケーキを翌朝に食べたときの感動の余韻を、プチ・ラパンのクリスマスケーキはアンコールをちゃんと準備しているのです。

ゴロゴロ苺とスライス苺、同じ量を使っていても作業を繰り返す必要がある分、手間は2倍。でもこれはプチ・ラパンのクリスマスケーキで有り続けるために、省略できない手間なのです。当日販売分を並べるだけ作れないのにはこういう理由もあるのです。

シェフ帽と赤いエプロンを身につけた2匹の白うさぎが、いちごのデコレーションケーキを作っているイラスト。ケーキの上には花のように美しく並べられたいちごと生クリームの絞り、側面にもスライスいちごが飾られている。テーブルにはボウルに入ったいちご、カットされたいちご、ミントの葉が置かれ、奥にはチョコレートのロールケーキも見える。柔らかいパステルカラーで描かれた、温かみのあるかわいらしいイラスト。
いちごのショートケーキの断面を描いたイラスト。ふわふわのスポンジケーキが3層に重なり、各層の間には白い生クリームとスライスされた真っ赤ないちごがサンドされている。外側は滑らかな生クリームで覆われ、一切れがカットされて手前に引き出されている様子。テーブルには少しケーキのくずが散らばり、背景はやわらかくぼかされている。デジタルペインティング風の美しいイラスト。

👉手作りへのこだわりはシュークリームも同じ【シュー生地が膨らむ魔法の瞬間

二十年間、変わらない約束

すべてのお客様への感謝を忘れません。1年間お世話になった方はもちろん、クリスマスケーキで初めてプチ・ラパンのケーキに対面する方も。

家族でご愛顧いただいている方への感謝を忘れません。日本ではキリストの生誕を祝ってクリスマスケーキを食べる方は少ないと思っています。皆さん、家族の団らんのためにクリスマスケーキを囲んでいる。だから、受け取りの期間はなるべく長く家族のスタイルに合わせられるようにしています。

クリスマスに誕生日の方への感謝を忘れません。クリスマスケーキがどんなに忙しくても通常のバースデーケーキも受付しています。種類が少ない、早めの予約が必要、苺価格のため少し割高など少なくない制約はありますが、あなたの生誕への感謝もたくさん込めて製作します。

小さな家族への感謝も忘れません。ホールケーキが大きすぎる方にはカットケーキを。できる限りたくさんご用意しています。こちらもクリスマスだけの少し特別なラインナップで。

クリスマスの食卓を囲むうさぎ家族のイラスト。赤と緑のセーターを着た4匹の白うさぎが木製のダイニングテーブルに座り、中央にはいちごのデコレーションケーキが置かれている。テーブルにはクッキー、カップケーキ、温かい飲み物、キャンドルなどが並ぶ。部屋の隅にはオーナメントと星で飾られたクリスマスツリーとプレゼント、壁にはクリスマスツリーの絵が掛けられている。窓の外には雪が降り積もる冬の夜景が広がり、家々のあかりとツリーが見える。温かく幸せなホリデーの雰囲気が伝わるかわいらしいイラスト。

👉この想いは以前のブログでも【20年間変わらないプチ・ラパン

まとめ

大手チェーン店のクリスマスケーキを否定するつもりは、まったくありません。あの華やかさ、便利さ、安定した品質には、敬意を払っています。多くの方々のクリスマスを支えている、素晴らしいシステムだと思います。

ただ、私たちには私たちの道があります。一日に作れる数は限られています。華やかさでは敵いません。でも、お一人お一人のために、心を込めて作ることができます。生クリームの泡立て加減、スポンジの焼き色、苺の配置、すべてに目を配り、手を尽くすことができます。

それが、小さな店の、小さな誇りです。

今年のクリスマス、大切な方と過ごす特別な時間に、プチ・ラパンの手作りケーキはいかがでしょうか。ご家族で囲むテーブルに、恋人との静かな夜に、あるいはお一人で過ごす贅沢な時間に。私たちの作るケーキが、あなたのクリスマスを少しでも特別なものにできたら、これほど嬉しいことはありません。

予約制という不便さを、どうかお許しください。その分、精一杯の想いを込めて、お作りいたします。

今年も、プチ・ラパンのクリスマスケーキを、どうぞよろしくお願いいたします。

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📍 プチ・ラパン
京都府長岡京市開田3丁目3番10号ロングヒル内
営業時間:10:00-19:00(月曜定休)
アクセス:阪急長岡天神駅から徒歩5分 / 長岡京市役所から徒歩3分

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